Technology
先進技術デジタル技術の研究と活用
石橋財団はアーティゾン美術館における先進の情報提供や鑑賞環境の整備、調査研究に役立てるため、ITシステム課を設置しています。アーティゾン美術館が「開かれた先進の美術館」であることを目指し、ITシステム課ではシステム開発・保守にとどまらず、研究や産学連携活動などを行っています。その活動内容をご紹介します。
Artizon Cloudとデータベース整備
「開かれた先進の美術館」を支える石橋財団情報システムの要石がArtizon Cloudです。Artizon Cloudは、所蔵作品や作品付帯情報が格納された複数のデータベースから構成される情報システムで、職員の業務支援、情報のアーカイブ化、ウェブサイトやスマートフォンアプリ等を通じた利用者への情報提供など、多様な活動の中核となっています。
PCT国際出願済
調査研究と産学連携
人工知能が社会にとけこむ時代における美術館のあり方を検討するため、データサイエンス技術にかかわる研究活動を行っています。また、内外の美術館や博物館について独自の視点で調査を実施。2022年からは武蔵野大学と産学連携協定を締結し、バーチャル空間におけるアート体験の実現に関する共同研究に参画しています。
ネットワークインフラをはじめとする基盤整備
あらゆる機器がネットワークに接続される時代になりました。石橋財団はデバイスをつなぐことでさまざまな情報が得られるような美術館を目指しており、ネットワークインフラはその鍵を握っています。ITシステム課では、ネットワークインフラに関する施設・設備の設計や選定を行うとともに、その信頼性・可用性・安全性を高める工夫をしています。
公式アプリケーションの企画と開発
スマートフォンアプリを2020年の開館当初から企画・開発しています。このアプリでは、BLEビーコンを利用して鑑賞者の館内位置に対応する音声ガイドを提供する機能など、新たな試みを続けてきました。こうした取り組みを通じて、先進のデバイスを利用した新しい美術鑑賞体験を目指しています。
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Naoki Ishibashi: “Artizon Cloud: A Multidatabase System Architecture for an Art Museum”, Information Modelling and Knowledge Bases XXXIII, pp.323–331, (2022).
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Iwata, H., Sasaki, S., Ishibashi, N., Sornlertlamvanich, V., Enzaki, Y., Kiyoki, Y.: “Data Sensorium: Spatial Immersive Displays for Atmospheric Sense of Place,” Information Modelling and Knowledge Bases XXXIV, IOS Press, pp.247–257. (2022).
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Fukuda, T., and Ishibashi, N: “Virtual Art Exhibition System: An Implementation Method for Creating an Experiential Museum System in a Virtual space”, Information Modelling and Knowledge Bases XXXIV, IOS Press, pp.38–47.(2022).